共同生活
一人暮らしの母が、急遽 里帰りすることになり、留守の間コザクラインコを預かりました。
我が家は、高齢の猫が3匹おり彼らの好奇心をどうかわすかが、最大の課題。当初は、ベランダに置きっぱなしにしようと思っていたのですが、ものすごい声量で早朝から鳴くので、ご近所からクレームが来るかも…と思い即撤収。以後、私の目の届くところに置くために、鳥籠を持って家の中を歩き回る生活になりました。
1週間を過ぎる頃、ネコもトリもお互いの存在に慣れてきたのか、それとも私が猫達にキツく言い聞かせた結果なのか、目を放してもトラブルになる気配がなくなり
このまま、ウチで飼えるかも
と、思えるくらいに落ち着きました。
実は、このコザクラインコ、私が2ヶ月くらい前に自宅周辺で保護した鳥なのです。人慣れしているので、
飼い主が探しているやも
でも、我が家では猫がいるから飼えない
という訳で母にあずかってもらっていたのです。
母から帰宅する連絡が入った時、ためらいなく
『鳥をかえしてもいい?』
と、メールをしました。
鳥との共同生活の問題点は、《猫にある》と思っていたのですが、実際一緒に過ごしてみて《私にある》事に気づきました。
仕事で帰宅するのが深夜、就寝するのが午前3時頃という生活を送っているので、私が寝るのと入れ替わりにトリが起きて鳴き出す。コザクラインコの習性なのか、この子だけの特徴なのか、太陽が昇って沈むまで無言でいる時間が殆どありません。我が家は、防音が整っているのでよほど大音量で音楽をかけたり怒鳴ったりしない限り、外に漏れる事はないのですが、それがかえって仇となり室内に響き渡るトリの声。
鳥籠に風呂敷を掛け、置く場所をどんなに工夫しても、明け方になると
ぴ。ぴ、ピ、ピピ。ぴ。
と始まり、9時近くになるとその鳴き声に抗議と怒りが混じるようになります。渋々起きて、風呂敷をとってやると10倍増しの声量でマシンガンの如く鳴き散らします。
すっかり白旗をあげて、母に戻す事に致しました。
豆乃花
女性/55歳/東京都/自営・自由業
2023-09-15 23:02