深夜の秘密の物語
本部長、秘書、リスナー社員の皆様お疲れ様でございます。先月の話ですが、嫁も子供も寝静まった深夜、部屋の明かりも最低限にし、音量もそこそこに録画したドラマを観ながらリラックスしていた時の事。そんな静寂の中、急に「ミッ!ミミッ!ミミーッ!!」一瞬何が起きたのかわかりませんでしたが、我が家のリビングをセミが飛び回りだしたのです!!恐らくベランダで干していた洗濯物に着いていたのだと思いますがセミ自身も興奮している様子で「ミミーッ」と鳴きながら凄い勢いで飛び回っています。私も急な出来事にしばらく飛び回るセミを唖然としながら見ていると電球に体当たりして落下。落下した先はwifiのモデムやら充電器やらが置いてあるコードが入り組んだ狭い隙間でした。完全にコードに絡まって脱出出来ない状態になっていたので、このまま動けなくなって死なないかな?と思いましたがセミも焦って羽根をバタバタしながら「ミミッ!ミミーッ」と鳴きまくっています。嫁も子供も虫が大嫌いなので起きてきたらパニックになると思い、セミに「シーっ」とやりながら策を考え始めました。とりあえず部屋中を捜索して殺虫剤スプレーを見つけたので抹殺する事を考えましたが…セミがいる付近は家電製品やコンセントなどもあり、スプレーを噴射して家電が壊れたり火災になったりしたらマズいなと思いました。ふとセミを見ると「それはやめて。助けて。」と言っているような目をしていたので、私自身も虫は得意では無いものの意を決して救出を決意!しかし落ちた隙間は狭すぎて何度やっても手が届きません。割り箸があったので割り箸でコードをかいくぐりながらなんとか要救護者に到達。また急に飛び回りだしたらやだなぁと思いながら割り箸に捕まるように差し出すと…セミも疲れていたのかすんなり割り箸に捕まりました。そのまま早歩きで玄関まで行き外の手すりに移してやりました。部屋に戻ると玄関先から「ミッ!ミミーッ!」と鳴き声が。「ありがとう」と私には聞こえました。気付けば1時間ほど経っていてTシャツも汗でびっしょりでしたが、なんかいい事をしたようで気分が晴れました。翌日、息子と出かけようと玄関を出ると昨夜私が移してあげたすぐ近くにひっくり返ったセミの死骸がありました。私が救ったセミかどうかはわかりませんが…家族にこの話をしたら騒ぎ出すと思うので誰にも話していません。私とセミの秘密の物語です。
ツカッチ2000
男性/43歳/神奈川県/会社員
2023-09-28 17:04