社員掲示板

LOVE2023

何年も前の話になりますが、
当時、同僚とよく行く
お気に入りの大衆居酒屋がありました。

その居酒屋では隣のテーブルとも距離が近く、
知らないお客さん同士でお喋りすることもよくありました。
基本的に居酒屋ではその場限りの会話を楽しんで終わっていましたが、
過去に1人だけ、連絡を交換した男性がいました。


「その写真、すごく可愛いですね」

隣のテーブルから、突然話しかけられました。

当時、私のスマホの待受画面は、
昔バリ島で魔除けの儀式に使われていたという彫刻の写真でした。

私はとても気に入って待受にしていたのですが、
友達にはよく「気持ち悪い」と笑われていました。

なので、
その写真を突然知らない人に褒められて、
とても嬉しくなり、
「え、かわいいですよね!!!」
と笑顔になりました。

次に彼の口から出てきたのが、
「”この世界の片隅に”観ましたか?」でした。

あまりの脈略の無さにビックリしましたが、
当時気になっていた映画だったので
「まだ観てないです!あれ良かったですか?」
と盛り上がりました。
お互い友達と飲みに来ていたので、
長話しはせずにそれぞれのグループの会話に戻っていきました。

数時間後、私がお店を出ようと席を立った時、
「帰っちゃうんですか?よかったらLINE交換しませんか?」と声をかけてくれたのです。

不思議と私も全く抵抗がなく、
連絡先を交換して帰りました。

その後2人だけでも遊ぶようになりました。
彼は哲学やアートについてよく話してくれました。
次第に私にとって、
何でも話せて頼れる存在となっていました。

この気持ちが「恋」かもしれないと気づいた時、
彼は私の気持ちを察知したのか、
「実は私には、奥さんと2歳の息子がいる」
と打ち明けられ、
上がりかけた恋愛の幕はすぐに下ろされました。

指輪もしてないし、
彼女もいないと言っていたのに、、
なんだ家族がいるのか。

笑えてきましたが、
その後もしばらく好きな気持ちが消えず、
何を食べても味を感じない日々が続きました。

現在はただの思い出となっていますが、
自分にとって不思議で特別な存在だったなと、
出会えて良かったなと、
ふと懐かしく思います。

クリームきなこ

女性/38歳/大阪府/お休み中
2023-10-15 15:51

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