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LOVE2023 ~愛のエピソード収穫祭~

30年以上前に元カノが亡くなりました。まだ20代前半の頃です。
彼女からの電話で入院したことを知り、高速バスに乗って地元で一番大きい病院にお見舞いに行きました。
彼女は思いの外、元気で他愛もない話をしましたが、病状はかなり深刻でした。
何度かの転移と手術を繰り返し、段々と弱っていく彼女のもとにできるだけお見舞いに行き、手紙を書きました。
彼女が最期、私に言った言葉は「私のことをずっと忘れないで欲しい」というものでした。
入院から半年、あっという間に彼女は旅立ちました。

彼女のその最期の言葉は私をずっと縛り続け、私は折に触れて「彼女の死」を思い出し悲しみました。

それから30年以上経ったある日、彼女の言葉の真意に気づきました。
彼女が私に忘れて欲しくなかったのは「自分の死」ではなく「自分が生きていたこと」だったんですね。

お見舞いに行った時に、彼女はよく付き合っていた頃の思い出話をしました。
その流れで決まって最後は私へのダメだしをしました。
「女の子は自分が特別じゃないと嫌なのよ」そう、何度も言いました。
当時、わざわざお見舞いに来てるのになんで昔のダメだしをされるんだろうと不満に思っていたのですが、彼女にとっては私と付き合っていた頃が「楽しい思い出」だったのかもしれません。
病気になった自分の姿ではなく、「楽しかったあの頃の姿と思い出」をずっと覚えていて欲しかったんだと今は思います。

今さら気づく私はダメだしされても仕方がありません。
今後は彼女が生きていたこと、彼女との楽しい思い出を忘れないようにしようと思っています。

ボルボロス

男性/54歳/埼玉県/会社員
2023-10-16 10:25

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