カッコよかった大人の人案件

昔、ビラ配りのアルバイトをしている時です。
ビラ配りと言ってもポケットティッシュとは違い、なかなか受取ってもらえる事が少なく、通行の邪魔になっているのを承知で歩道の真ん中に立ち、色んな人に無視されるなか低姿勢で仕事をしていました。

存在が無くも等しい仕事なので、メンタルが結構やられるのですが、それでも善意で受取ってくれる人がいてなんとか立ち続けている感じでした。

そこに、すらっとしたジェントルマンが「結構です」という感じで掌をこちらに向けるジェスチャーをした後、私の目を見て軽く会釈をして去って行ったのです。

たったそれだけの、大した事ない出来事だったのですが、あまりに所作がスマートで、少しその人の後ろ姿を眺めてしまうほど衝撃的でした。

だって、断るなら他の人と同じように無視して通り過ぎればいいんです。それをせずにわざわざ1アクションを入れて、ほんの少しのコミュニケーションをしてくれたその人間性が、あまりにもカッコよくてカッコよくて…

私もあの人みたいな、他人に優しく出来る人たらしになりたい！！と思った二十歳の出来事でした。

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