「新生活直前案件〜引っ越しのあれこれ〜」
過去案件になってしまいました。すみません。
私は大学に通い始めたころから引っ越しのアルバイトをしておりました。
ある日、私以外に二名のベテランドライバーとトラック、助手のもう一人もベテランという配車がされました。
現場へ向かう途中でドライバーから、「ちょっと訳ありの現場なんだけど、お前はいつも通り普通に作業してくれればいいから」と伝えられました。
どうやら離婚が決まった奥様の荷物の運び出しだったようです。
何を持っていくか弁護士立ち合いで決めるそうなので荷物の総量が当日、その場でないとわからない現場。
私はまだまだ作業に不慣れな新人だったので、とにかく先輩の指示にははっきりと大きな声で返事をする・・・くらいしかできませんでした。
朝から始めた作業も夕方頃にやっと終了。
突然先輩が「じゃぁお客様のところに挨拶行くぞ」と声かかりました。
引っ越し先の3F建ての小さなビルの屋上にお客様が弁護士と一緒にいらっしゃいました。
とてもきれいな夕焼けが照らす屋上で我々4人が並んで「ありがとうございました」とお辞儀をしました。
普段はこんなことをしません。
先輩なりの、お客様への新生活へのエールを送りたかったんだろうなと想像できたので、私ものっかりました(笑)
するとお客さまがぼろぼろっと涙を流されて、「今日は%&`#*で・・・・ました」泣きながらだったので聞き取れませんでした。
「うれしかったんだよね、皆さんが普通に、元気に作業してくれた姿を見て少し元気になれたんだよね」
弁護士が通訳も兼ねてくれました。
私にだって他人様の役に立てることがあったんだ・・・こりゃすごい仕事だぞ・・・実感しました。
それから数か月後、いつの間にか大学をドロップアウトして、なんやかんやで40年近く同じ会社で勤め続け、もうすぐ定年退職。
なんだかやたらと昔を思い出すことが多くなったこの頃、議題に乗り遅れましたが書いてみました。
長文失礼。
nonpika
男性/60歳/埼玉県/会社員
2024-03-22 01:13