ざわつく気持ち
ざわつく気持ちをこちらに書かせてください。
今から15年前、私にはとても大好きな人が居ました。当時流行っていたSNSで知り合い意気投合し、ご近所だから今度飲もうと約束をしました。
初めての待ち合わせ場所は本屋さん。まだ会った事もない相手だったので、彼は目印として全身黒の服を着て1番好きな本を読んで待ってると。
フロア中を見回しても全身真っ黒な人はただ1人。
ちょっと個性強めなオーラを放ち、ひたすらに絵本を読んでいたのです。恐る恐る声を掛けると、彼は恥ずかしそうに目も合わせずに「これが1番好きな本だから、、、」とボソッと言うのです。
美大卒だった彼の見た目は独特のオーラを放ちながらも、心はとても繊細で出会った瞬間に私は恋に落ちました。
彼は趣味でシルバーアクセを作っており、私の誕生日プレゼントとして天使の羽根をイメージしたネックレスを作って欲しいとお願いしました。誕生日当日、私の想像を遥かに超えたとても素敵な天使の羽根をプレゼントしてくれました。私は嬉しくて嬉しくて毎日着けていました。
そして翌年の誕生日にお別れしました。徐々に彼の気持ちが離れている事に気付いていながらも、別れたくない私と歯車が噛み合わなくなり、そこでお別れに。
そんな彼がくれたネックレス。もう何処にしまっていたのかも忘れていたのに、先日たまたま見つけて、何となく彼の事を思い出していました。
そして今日、仕事で調べ物をしているとたまたま彼の記事を見つけました。ちょっとおじさんになって、ちょっと太っていたけれど、私が大好きだった彼でした。
彼は今でもお付き合い当時着けていた自作のシルバーのブレスレットを着けていました。お付き合い当時は私がそれを身に着けていました。今でも彼はそれを身に着けていて、あの当時私はとても大切なものを預かっていたんだなと気付きました。
写真では左手の薬指に指輪をしていて、苗字も変わっていたのでそういうことなんでしょうね。
あれから15年で私も色々なことがあって色々変わってしまったけれど、でもずっと探していた彼の姿を見れて、とても嬉しくとても切ないです。もう1度だけ会いたいと思う気持ちを抑えるために書き込ませていただきました。
ハル丸
女性/44歳/東京都/会社員
2024-03-26 00:03