案件
大学の入学式の翌日、
新入生オリエンテーションに向かうため、
バクバクの心臓と痛むお腹を押さえ、
作り笑顔で「行ってきます!」と家を出た朝。
好きな音楽で気を紛らわそうとイヤホンを探していると、そこにはゴミ出しから帰ってきたお隣さんが。
そんなお隣のお母さんの顔を見るなり、安心感とこれからの不安が衝突し、大号泣してしまった私。人通りが少ないとはいえ、急に泣かれて大迷惑だったと思います。
それなのに、お隣さんは笑顔で私の背中を撫でてくれて、「4月」という時期で察してくれたのか、泣いた理由も何も言えないほど泣きじゃくる私に『畳ちゃんなら大丈夫よ!目腫れちゃうわよ〜!』と優しく声をかけて見送ってくれました。
私はそのあたたかさに救われて本当に感謝しています。しかし数年前、そのお隣さんは亡くなってしまい、今も4月になるとこのことがよぎり、暖かくも寂しい気持ちになります。
もう一度、感謝を伝えたかったな。
あの日、助けてくれてありがとうございました。
和室の畳
女性/25歳/神奈川県/会社員
2024-04-04 16:52