本日の会議テーマ
本部長、秘書お疲れ様です。
それはとても晴れた心地の良い天気の4月の朝でした。
私は大学生になりたてで、新しい環境に不安と期待に溢れていた頃でした。
私が通学のために乗っていた電車はそれほどラッシュにならず、いつも座席に座ることができました。
私は電車の中でいつも小説を読んでいましたが、その日も小説の中の世界に没頭して周囲のことは全く気にしていませんでした。
しばらくの時間、乗車して今どこの駅かなと顔を上げると、目の前の座席に自分が思い描く100%の少女が座っていたのです。
100%の少女、今までそんなことはなかったので、強く動揺してしまったのを覚えています。
声をかけるか悩みましたが、当時まだ18歳の私は勇気を出すことができず、もどかしい気持ちを押し殺しながら大学の教室に向かいました。
すると、教室を見渡すとその100%の少女が同じ教室に座っていたのです。
そう、同じ大学の同じクラスだったのです。
まるで夢のような出来事でした。
でも結局卒業まで一度も声をかけることができませんでした。
この話には続きがあります。
卒業から10年位経ち、同級生の結婚式に出席すると、その彼女も出席していたのです。
あのときの気持ちを伝えようと勇気を振り絞って声をかけて、あの頃憧れていたことを昔話として伝えました。
彼女は驚いていましたが、昔話なので、その話は進展せず、そのままお別れしました。
学生時代に、声をかけていたらどうなっていたのかな、と少し後悔していますが、今となっては、とても淡い一目惚れの思い出です。
むらさきうさぎ
男性/50歳/埼玉県/会社員
2024-04-11 13:24