案件です。パリのコーヒーは高い。

クリスマス･イブに
パリにあるビストロのようなお店に
３人で入りました。

パリではクリスマス・イブに
営業している飲食店があまり無く、
開いているお店はどこもいっぱいになります。

その店も、その日はお客さんが多く
とても忙しい日でしたので

注文した料理がなかなか出て来ず、
私のテーブル担当のウェイターさんに催促すると、
たちまち全ての料理が出揃いました！

そんな中、
そのウェイターさんは両手に空いたグラスを
天井近くまで積み上げて運んでいました。

それを見ていた周りのお客様たちは
そのグラスを持った姿の写真を
撮り始めたのです。

そうしているうちに支配人がやって来て、
そのウェイターさんの肩に
ヒジを乗せポーズを取り、
お客様たちが向けているカメラに
ニッコリと満足げに写り始めました。

撮り終えてウェイターさんの肩からヒジをどかすと、
ウェイターさんはバランスを崩し、
グラスはそのまま床へ…

支配人は知らん顔して裏へ戻り、
ウェイターさんは涙目で
割れたグラスを片付けておりました。

そんな事もあり、一所懸命に働いている彼に
チップとして２０ユーロを渡しました。

すると彼は「多すぎる」といって断ってきました。
私は「いや、良いんだよ」と言って手渡すと

彼は「それじゃあ、僕が３人に食後のコーヒーをご馳走するよ」と。

その店のコーヒーの値段は ７．５ユーロ。
３人にって、
あれっ？計算が合わないぞ
と思いながらも有難く頂きました。

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