案件
みなさまおつかれさまです!
私が赤っ恥をかいたのは中学生の部活動でのことです。
弱小の野球部に所属していた私は、3年生の最後の夏の大会でやらかしました。
最終イニング、ツーアウトまで追い込まれランナーなし。一点返せば同点で、延長戦に持ち込める。そんな場面で4番バッターである私の打席が回ってきました。
それまでの試合で5割を超える打率を誇っていた私は、初球からセンターを超える打球を飛ばしました。野球場が3面連なったグラウンドにスタンドはなく、大きな弧を描いて打球は飛んでいきますがホームランはランニングホームランしかありません。
サードベースを回り、もう大丈夫だろうと、応援に来てくれていた同級生や父兄に向かってそれはもう大谷選手並みのガッツポーズをしてホームイン。
なんとか延長戦に持ち込めた喜びと、勢いをつけられたことにベンチも大盛り上がりしていると、審判がやってきてアウト判定。
どうやら私はファーストベースを踏んでいなかったようなのです。
それまでの盛り上がりはなんだったのかという一瞬静けさの後、試合終了の挨拶とともにチームメイトたちがクスクスと笑い始め、最初は厳しい顔をしていた監督も笑いを堪えきれなくなっていました。
最後の試合でこんなにも初歩的なミスで負けてしまったのに、帰り道バスの中で泣くチームメイトは誰ひとりいないどころか、大笑いで引退をしました。応援に来てくれた父兄もみんなニヤニヤと私を見ていました。
強豪校では絶対にあり得ない負け戦後の雰囲気でしたが、私はあのチームが大好きでした。そして結局それが私の野球人生最後の打席となりました。愉快な野球人生でした。
不思議は不思議なままで不思議
男性/27歳/東京都/会社員
2024-07-16 16:55