寝落ちを繰り返したあの頃の話
まだ「働き方改革」なんて言葉が生まれる前。
終電での帰宅が当たり前で、何度も寝落ちを繰り返していたあの頃には
忘れられないエピソードがいくつかあります。
エピソード1
「今日は座って帰ろう」と思い、
始発駅のホームで一番前に並んで次の電車を待っていました。
しかし、ふと気がつくと後ろにできていた行列は消え、私の後ろにはもう誰もいませんでした…。
エピソード2
また寝過ごした!と思って、慌てて立ち上がったものの、「あれ…ここどこだ」とつぶやく私。
すると目の前にいた青年が駅名を教えてくれて、「ああ、まだまだ先か」とまたつぶやいたら、「そんなこともありますよ」と微笑んで励ましてくれました。
エピソード3
ある日、気づいたら隣に座っていたおじさんの肩によりかかって寝ていたようで、
おじさんが降りるときに「ごめんね、おじさん、もう降りるんだ」と、逆に謝られてしまいました。
疲れ切った帰り道、寝落ちしてしまうことで、見知らぬ人たちとのささやかな交流が生まれたあの頃。
今でもふと思い出しては、どこか温かい気持ちになります。
食べるの大好きのんちゃん
女性/42歳/東京都/会社員
2024-11-07 15:28