スライスの魔術師
最近、注目している『伊藤あおい選手』という、まだ弱冠20歳。日本ランク5位・世界ランク200位ぐらいの女子テニスプレイヤーがいます。
プレイスタイルがとにかくユニーク。
男子並みの筋力をつけて、ハードヒットが中心の女子テニス界において、フォアハンドの7割が緩いスライス。2割がロブ。
それも深いところに決めてくる。スライスはバウンドが低く、ロブはバウンドが高いから、相手は丁度良いポイントでハードヒットが出来なくてストレスが貯まる。だんだんとリズムを崩される。
伊藤選手はフットワークも良くないし。テニスでは一番良くないと言われる『棒立ち』のまま手打ちで打ってるように見える(笑) それも相手からすると鼻であしらわられてるように感じる。
そうして相手が術中にハマってきたところで、
伊藤選手は嗅覚鋭く、的確なタイミングでネット際にスライスでドロップショットを落としてくる。相手は一歩も動けない。ドロップショットのエースもしばしば見られる。
そして、相手がムカついた頃に、もう一つの伊藤選手の武器。超強力かつ正確なダブルのバックハンドがライジングで打ち込まれてくる。
実は伊藤選手、フォアよりバックのほうが得意らしい。
相手はキメにこようとハードヒットで来るのに、ライジングで打ち返されるから、体勢を立て直す前に返されてしまう。強く打てば打つほど、その強さを利用して伊藤選手のライジングも強さを増してくる。
世界でもフォアのスライスの使い手は13%くらいだそうで、つまり87 %の選手は未経験か、対応が追いつかないということ。今年の日本オープンでも世界ランク30位くらいの選手を破り準決勝まで来ている。
そしてビックリ。
伊藤選手の握力は小学生より低い 12kg。
いろいろと、これからが楽しみです。
コーギーモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2024-11-08 12:41