本日の案件
本部長、秘書、皆様お疲れ様です。
カニのいい所の話とは少し違うのですが…
今から17年前、当時お付き合いしていた方と、個室の居酒屋でお付き合い10年記念日をお祝いしていた時のこと。
茹でガニを注文して食べ始めたのですが、蟹バサミと蟹スプーンなんかを使いこなし、バキバキとカニを剥いて食べていた私の隣で、どうにも上手く身が出せずカニがほぐれてバラバラになっている彼。
どうにも見ていられず「ちょっと貸して。剥いてあげるから」と勢いよくバキバキと剥いき、上手くブロック上の蟹をお皿に並べていきました。
そして、全てのカニを終えた時のこと。「すごいな!」とさっきまで笑っていた彼の顔が真顔になっているではありませんか。
え?なに?引いた?え?
すると彼は「ね…ねぇ…左手みて。ち……血がすごいんだけど……それ、血?血だよね?」と。
見ると確かに私の左手は血だらけ。
夢中でカニを素手で剥いていたら、左手が蟹のトゲトゲにやられたらしく、たしかになかなかの出血。
「あー、大丈夫大丈夫!カニの逆襲、これよくあるヤツ。大丈夫大丈夫」と痛みを抑えて、止血して手持ちの絆創膏を数枚貼り、「さぁ、食べよう!大丈夫!蟹は大丈夫!蟹に血がつかなくてよかったよ」となんとか笑顔でカニを食べ始めた私を見て、彼は大笑い。
その居酒屋を出て、少し歩いていると「あのさ、手が血だらけのところなんなんだけど……結婚しようか」と急な彼からのプロポーズ。
もっとおしゃれなプロポーズが理想だったのに、まさかカニの逆襲にやられ、止血をしながらのプロポーズになるとは。
いまでも、結婚記念日や、蟹を見ると「蟹ねぇ…」と大笑い。
蟹、なんかありがとう。
あなたのおかげで、私たちだけのいい思い出ができ、今日に続いています。
そして、これからも時々節目に「いただきまーす!」
ひげくまん
女性/46歳/東京都/演奏家
2024-12-03 17:44