悪ノリ
60年くらい前、テレビの創成期から番組を作ってきた、放送作家の永六輔さんが「テレビはもう自分が関わるメディアではない」として、ラジオパーソナリティに拠点を移したのが、40 年くらい前。
そこから10年くらいたって、1990年代に「若いスタッフが熱心に誘ってくれたから」と【 二、三が六輔 】という深夜バラエティのテレビ番組で復活したのが30年くらい前。
ゆったり、じっくり週替わりのテーマを取り上げつつ、テンポは良く、一芸に秀でたエンタテイナーや芸人をゲストに呼んだり、良い番組で僕は20代だったけど毎週楽しみに見ていました。
ゴールデンのバラエティ番組が乱れてきて、素人や若手芸人をめちゃめちゃにイジるような番組ばかり増えてきた頃だったから、丁寧に作られたバラエティが当時は逆に新鮮に感じました。
「テレビ放送でラジオみたいな番組をやる」という永六輔さんのコンセプトもあったから、ラジオリスナーの僕には好ましく感じたのかもしれない。
フジテレビでは『オレたちひょうきん族』などがヒットして、三宅D、横澤P、港Pなどが有名になって番組内でイジられていたから、今の港社長を見ていると隔世の感がある。
あの頃からだんだん、スタッフやタレントの「悪ふざけ」ばかりになってきて『楽屋オチ』『身内ネタ』を切り売りして番組の質を低下させてきたようにも、思うけど…
ちょっと待てよ、と
永六輔さんだって放送作家兼ディレクターだったけど、同じく放送作家の青島幸男さんや前田武彦さんと共に画面に出てきて、芸人と一緒にガチャガチャやりだした元祖ではないか(笑)
もともとテレビとはそうしたスタッフの悪ノリを放送に乗せたい誘惑から逃れられないメディアだったのかもしれない。それがまたウケが良く、一定の数字が取れるなら、なおさらだろう。
ただ『悪ノリ』はテレビ画面の中に収めておくべきだった。悪ノリがそのまま仕事外のハラスメントに発展したのか、むしろ、テレビも私的な場も区別が出来なくなっていた、といったところか。
コーギーモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2025-01-31 00:42