ありがとう東京、さらば東京
私は20歳から生活した東京を出て、地元に帰ることにした料理人です。
最初に働いたお店は銀座の高級な有名店。
朝7時に出勤し、退勤は夜中の2時を過ぎることも多々ありました。
当然、終電も終わっています。
夜中の銀座をママチャリで、当時住んでいた浅草まで片道40分かけて帰っていました。
初めての東京は全てが煌びやかですが、眠らない街を横目に疲れ果ててママチャリで帰ったのを今でも覚えています。
そんな生活を2年しましたが、限界を超えてしまったのか、身体を壊してしまいました。
私の父は高校3年生に癌で亡くなっているのですが、専門学校の費用などを出してくれていた母に非常に申し訳なく、悔しくて涙が止まらなかったのを覚えています。
どうにか半年の治療をへて体調が回復したので、違うお店に就職することができました。
その後も何件か東京の有名店で働きましたが、料理人の世界は職人質が強く、いろいろと厳しい先輩やシェフがいたり、職場環境が問題があったりします。
そんな中なんだかんだ根性で食らいついてきましたが、時にはボコボコにやられ、絶望から命をたつことも頭を何回もよぎりました。
そんな辛い修行を経たおかげなのか、シェフを任され、某グルメサイトでは上位に食い込むほどの評価をしていただけるまでなりました。
そんな中、高校2年生からお付き合いしている妻とも話し地元に帰ることもしました。
22歳で結婚し、不妊治療をしながらも3人の子供にも恵まれ、辛い時期を支えてくれた妻には感謝しかありません。
そして、地元帰るにあたり、多くの方に協力していただき、お店を開業できることになりました。
嬉しくもあり、家族を養ってくこと、建てた新築の借金。
今からプレッシャーで胃に穴があきそうです。
家族との思い出や、修行時代の思い出が詰まった東京を離れるのはなんとも言えない気持ちになります。
新生活。
新しいお店。
子供達の新しい学校
大きく変わる時と書いて
大変
男として大きく変わる時。
どうか本部長。
背中を押していただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
p.s高校2年生からお付き合いしている妻は僕の最初で最後の恋人です。笑
ベイブ田舎に帰る
男性/20歳/東京都/会社員
2025-03-26 02:09