本日は『エレファン・トソング』を鑑賞
先週鑑賞した「Mommy 」のグザヴィエ・ドランが脚本を読み出演を熱望した本作品、痛切なまでに愛に飢え、愛を求めた青年マイケルを怪演。
舞台は精神病院の一室、一人の医師の失踪に彼が担当していた患者のマイケルが何かを知っていると院長のグリーンが事情を聴くことを試みる。しかし、マイケルは無駄話や嘘か本当かわからない話で翻弄し、いつしかグリーンはマイケルの術中に嵌まっていく、蜘蛛の巣にかかった獲物のように。 この何かが起こった日、一人の医師の失踪なのか、事件なのか、周囲を翻弄しながらマイケルはある決断を実行に移す。
巧妙かつ繊細な台詞の積み重ねによる濃密な心理劇、そして、登場する人物達の心の奥にある影、グリーンが老眼鏡を忘れたため目を通せなかったマイケルのカルテ、そのために訪れたマイケルと交わした3つの約束の結末、血の染みのプロセス、など細部に渡って素晴らしかった。更に脇筋となるグリーンの家庭、看護師長とのエピソードがこの映画を更なる高みに導く。
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2015-06-07 23:52