じいちゃんに贈る歌
私の祖父は小学校の頃から気づけば認知症になっており、早々に末の孫の私を忘れました。
好きな食べ物や口調、誕生日まで一緒な祖父がすぐ忘れたのは私、という事実に悲しみを拭えきれず、最期のお見舞いにはいけませんでした。
そんな祖父がグループホームで歌を習ったと嬉しそうに披露していたのは、「花は咲く」でした。
東日本大震災の際に作詞作曲された曲ですが、子どもながらに私もこの曲がとても好きになり、それは祖父も一緒であったことをその時に知りました。
今でも生き生きと歌っている姿が思い出されます。
私自身も、カラオケの十八番としてビブラート加点を百回は重ねて生き生きとガチンコで歌います。じいちゃんの好きな曲は毎回絶対歌ってるよ。顔真っ赤にしながら必死に歌う孫をニコニコ見守ってね。
せんせん
女性/24歳/神奈川県/会社員
2025-09-15 18:46