徒競走案件 ピンヒール大ピンチで走った日
本部長、秘書、リスナー社員の皆様お疲れ様です。
あれは17歳の夏でした。当時、年上の男性に片思い中だった私。家でダラダラ過ごしていた時に急に彼から連絡をもらい、「今から会える?会えるなら舞浜まで来ない?ドライブ行こうよ!」と嬉しいお誘いを受けました。
すぐに支度を始め、まだ一度も履いていないピンヒールのサンダルを履いて駅まで走った私。
駅に着くと、電車がまもなく発車するというアナウンスが聞こえてきました。駅のホームへ下るエスカレーターを少し急足で下っていると...急に右足が動かなくなり、危うく転げ落ちるところでした。何が何だか分からない私..,。
「え、ちょ、何!?」と思い、右足を見ると...なんとヒールがエスカレーターの隙間に入り込み、サンダルが抜けなくなってしまいました。
エスカレーターが終わるまでに抜かなくては!!
そう焦りながらサンダルを引っ張っていたのですが、サンダルはびくともせず...。
エスカレーターが終わり、遂に私は右足だけ裸足となり、引っかかったままのサンダルを見るだけしかできず...。
下りてくる人たちからジロジロ見られ、どうしたらよいのか分からないままいると、1人の紳士がエスカレーターを下りながら私に叫びました。
「お姉ちゃん!サンダル壊れてもいい!?」と言ってきたので、「え!?」と言った瞬間、紳士はサッカーボールを蹴るような体勢になり、思いっきりサンダルを蹴りました。
サンダルはスッポーンと抜けましたが、問題のヒールは熱で溶けてしまっていました。
左右の高さが違うサンダルを履いて、とにかく大急ぎで舞浜まで走りました。東京駅の京葉線乗り場はただでさえ遠いのに、そんな遠いホームまで左右ガタガタのヒールで走り、何度か転けそうになっても彼を待たせるとフラれてしまいそうな気がして、とにかく走りました。最後は、ほぼケンケンパ状態で、左足を中心に走っていた記憶です。無事に舞浜に着いたのは良かったのですが、約束よりも40分遅れてしまいました。彼の車に乗ると、「体調悪いの?なんか歩き方変だけど...」と言われ、事情を話すと大笑いしていました。なんでケンケンパしながら歩いてんの?と、思っていたみたいです。ケンケンパ状態で京葉線乗り場まで走ったあの日が、人生で1番ハードな徒競走でした。
ゴリサ
女性/40歳/東京都/会社員
2025-10-19 13:58

