〜 私のお弁当エピソード〜
本部長、秘書、お疲れ様です。
私の思い出のお弁当は社会人になりたての頃に付き合っていた彼女が作ってくれていたお弁当です。
年下なのに家庭的な彼女はちょくちょくお弁当を作ってくれました。
彼女が作るお弁当は、正直、見た目がすごいのです。
ウインナーが焦げてて、卵焼きはちょっと黒くて、
ブロッコリーにはなぜかカニカマが乗っていました。
でも、フタを開けた瞬間に感じる温かさがありました。
「朝、これを作ってくれてたんだな」って思うと、
どんなに仕事がうまくいかなくても、
それだけで不思議と頑張れました。
ある日、体調を崩して寝込んでいたとき、
彼女がこっそり玄関にお弁当を置いていってくれたことがあります。
中には、ふわふわの卵焼きと、少し焦げたウインナー。
そして小さなメモで一言、
「焦げてるけど、愛は焦げてません♡」
思わず笑って、その後に涙がこぼれました。
そのお弁当を食べながらふとラジオから流れてきた曲が、JUJUの「やさしさで溢れるように」。
歌詞のひとつひとつが、彼女の不器用な優しさと重なって、胸の奥がじんわりと熱くなったのを覚えています。
今では、奥さんとなった彼女が仕事の日は毎日お弁当を作ってくれます。
もうすっかり卵焼きもウィンナーもちょうどいい焼き加減になってとても美味しいけれどブロッコリーの上に乗っているカニカマを見て、付き合いたてのころを思い出します。
「完璧じゃなくても、人を想う気持ちはちゃんと届く」って、彼女に教えられた私のお弁当エピソードです。
ボスのパパ
男性/44歳/東京都/自営・自由業
2025-10-21 23:10

