【案件】あの時は必死だったけど
本部長、秘書、みなさま。いつもお疲れ様です。
人にやさしくされたこと、長文ですが聞いてください。
夕暮れ時、私は職場を出て数メートルの道端でしゃがみ込んでいました。
仕事に復職後、初めて大きな会議に参加した日でした。午後のほとんどを緊張して過ごしたせいか、建物を一歩出ると動悸や目眩など低血糖の時の症状が一気にあらわれ、立っていられなくなったのです。
職場の人たちが車や徒歩で通り過ぎるのを小さくなってやり過ごしていると、知らないマダムが声をかけてきました。事情を話すと「ちょっと待ってて」と走り去り、戻ってきた時はお水のペットボトルを抱えていました。
「これまだ封を開けてないから」と私にくれ、指が震えているのを見てチョコレートもくれました。そして、すぐそこに家があること、マダムの娘さんも休職していたのだそうで、私の様子を見てすぐ想像がついたことなどを話してくれながら、合間に「がんばったんだね」「職場に行けてるだけですごいんだよ」「大丈夫よ」など、私を肯定する言葉をかけ続けてくれたのです。
それが本当に、本当にありがたかった。
私はあの時自分を保つのに必死で、お礼を言うのが精一杯でした。たまにマダムの家の前を通るときちんとお礼がしたくて、でもどうすればいいかわかりません。
素敵なマダム。あなたの言葉や行動を、いつか私も誰かに渡したいです。
琥珀糖(こはくとう)
男性/38歳/埼玉県/会社員
2026-02-02 17:54

