案件
桜案件待っていました。
ずっと誰かに話したかった話を投稿します。
実家から車で少し行ったところに長い桜並木になった道路があります。桜の季節になるとそこを通るのが少しウキウキする、そんな日常生活で使われる普通の一般道です。
そこを車で通ったときに同乗していた母が「ここに来ると思い出すんだよね」と教えてくれた話。
わたしが住んでいた実家の裏に、家庭の事情で家から一人で外に出ることのできないおばさんと、足の悪いおばあちゃんが住んでいました。裏だったこともありお二人ともうちにはたまに顔を出し我が家の犬と遊んでくれたりお茶をしたりお菓子を食べたりして過ごすこともありました。
母は車の運転ができるので、ある年に車で二人を桜並木へのドライブに連れて行ったそうです。お二人とも自宅以外の外に行くことがなかなかできなかったので生で見る桜並木に綺麗だね〜!と、ニコニコしてくれたそう。
母もその日なんの気なしに誘って、そんなこともすっかり忘れていたそうです。
数年たちおばさんもおはあさんも亡くなりました。
その数年後、思わぬ方が実家を訪ねてきました。それはおばあさんと別住まいをしていたご兄弟の方。母が対応するやいなや「A子ちゃん!本当にありがとう!」とのこと。もちろん母は意味がわからず話を聞くと、なんと、母と桜のドライブをしていたことをおばあさんは日記に書いていたそう。そこには「A子ちゃんが桜を見に車で出かけてくれた。とても綺麗だった。みんなでお花見ができて嬉しい」と書かれていたそう。この日記をを遺品整理していたおじさんが見つけわざわざお礼を言いに来てくれたそう。
この話をサラッとした母に衝撃を覚えました。
良いことをしたつもりも、お礼を言ってもらうつもりも全くなく、桜が咲いていたしせっかくだから一緒に行こうって思っただけなんだと思います。
この話を聞いたときはがとてもあたたかく優しい人に感じました。
事実は小説より奇なり、とはまさにことこと。まるでドラマのような出来事に思わず涙しそうになりました。しかし母はケロッとこの話をしていました。優しい母に日々感謝です。今年もそろそろ桜の季節。その桜並木へ母は一人で車で行けますが今年は私が一番見頃の時期につれていきたいと思います。
斎藤ソーダリア
女性/37歳/神奈川県/専業主婦
2026-03-19 17:22

