私にとっては本当の初デート
やしろ本部長 浜崎秘書 お疲れ様でございます。
中学生の頃、私の家は母が一人で切り盛りする小さなお好み焼き屋さんでした。近所に女子大があり その寮の様なアパートも近くにあって、結構繁盛していました。
ある夏休み、宿題が全然わからなくて困っていた私に、母が「お好み焼き(豚玉)とタコ焼きを持って、裏のお姉ちゃんに教えてもらっておいで〜」と言いました。お姉さんは、店の常連さんの貧乏学生です。
厚かましい中学生だった私は、お好み焼きを手に、恐る恐るお姉さんの部屋を訪ねました。すると優しいお姉さんが、にこにこしながら宿題を教えてくれました。
それからというもの、宿題だけでなく試験勉強も教えてもらいに行くようになりました。
そんなある日、お姉さんから突然「映画のお誘い」が来ました。試写会の抽選に当たったんだそうです。
映画の内容は今となっては全く覚えていないんですが、映画の前に初めて食べたケンタッキーフライドチキンの味は、なぜか今でも鮮明に覚えています。
お姉さんから見たら、ただの坊主頭の中坊だったと思います。でも私にとっては、人生で初めての、胸がドキドキする本物のデートでした。
今でも時々、あの頃の事を思い出して、ちょっとだけ胸がきゅんとなります。
上品な珍獣
男性/62歳/大阪府/会社員
2026-04-16 10:39

