後輩とサングラス
お疲れ様です。
地元のスポーツ店でランニングシューズを物色していると、
『あ、北岳さん!』と声をかけられました。
彼が敬語で話すので、何となく後輩であることは察知しましたが、なぜかサングラスをかけていたので誰だかわかりませんでした。
たぶん野球関係の1、2個下の後輩だろう。
丁寧な敬語や態度に好感が持てました(サングラスを除く)
『いや、誰やねん!サングラス外せや!』と、ドヤしつけてもよかったのですが、優しい北岳先輩のイメージを崩すわけにはいかないので、本性を隠し、そのまま泳がせておきました。
『北岳さん、今も野球やってはるんですか?』
『今はもうやってないよ。そっちは頑張ってんの?』
誰だかわかっていないことを悟られぬよう、無難な会話で適当にやり過ごしました。
『サングラス、かっこええやん』
『ありがとうございます!レイバンなんですよ♪』
彼は得意気にサングラスのフレームに手をやりましたが、外しませんでした。
だめだ。僕の変化球に動じることなく、後輩は自由に泳ぎ続けている。
結局、彼は最後までサングラスを外さないまま店を泳ぎ出て行きました。
おい、後輩君。一瞬でいいからサングラス外してほしかったな。君が誰なのかわからないまま、僕は今もモヤモヤしてるよ。
北岳に来ただけ
男性/38歳/東京都/会社員
2026-08-05 12:45

