月とたまご
お疲れ様です。
卵が好きだということは学校中に公言していました。
当時付き合っていた彼女も、もちろんそのことを知っていました。
一緒にお弁当を食べていると、卵の話題になりました。
僕は、肉にも魚にも、大豆にもない、卵のたんぱく感が好きなんだ、
あれが鳥になるんだから、生命に必要なものが全て入っているんだ、と力説しました。
翌日、彼女はゆで卵を5個、持ってきました。
家にあった卵を茹でてきてくれたのです。
せっかくなので、おいしくいただいていると、
『いっぱい食べな太くならへんで。野球も上手くならへんで』
と言ってきたので5個全部食べてから、自分のお弁当も平らげてやりました。
身体が細いのは、その通りだが、野球に関しては結構上手なんだけど。
癪なので、翌日、僕も卵を6個茹でて学校へ持っていきました。
すると彼女は、またしても5個のゆで卵を持参してきたので、ランチ会場には11個のゆで卵が集結する事態となりました。
『野球は9回まで。私は2個食べるから、北岳くんは9個食べてな♥』
可愛い顔して、エッグいことをサラッと言うから、僕はゆで卵9個+自分のお弁当を食べることになり、さすがに気持ち悪くなってしまいました。
隣を見ると、たまごみたいな綺麗な肌で、月のように美しい彼女が笑っていました。
北岳に来ただけ
男性/38歳/東京都/会社員
2026-09-17 12:44

