理想？の先輩

やしろ本部長、浜崎秘書お疲れ様です。10年程前に会社をやめて大学に入り直そうとした頃、会社の先輩が「これを何かの足しにしろ」と、なんと婚約指輪をくれました。彼女にプロポーズしようと買ったけれど、彼女に冷めてしまって別れようと思っている、婚約指輪を使い回すことなんかできないからお前にやる、とのことでしたが、彼女さんも社内な僕の先輩であまりにも気マズイので断わりましたが、頑として聞かないのでとりあえず預かりました。僕も自分の悪人さに今思うと恥ずかしいのですが、面白半分で何軒か質屋で鑑定してもらったところ、1番高い店でさえ購入金額の4分の1という査定額でした。そのまま正直に先輩に話したところ、先輩も仰天されて結婚を考え直すと言い出されました。僕はそのまま指輪をお返ししましたが、先輩はなんだかすまんと言いながら「お前の将来への投資だ」と指輪の査定金額と同じ額の現金をくれました。先日先輩に久しぶりに会い、お金はお返ししましたが、先輩は結局当時の彼女にあの指輪でプロポーズして結婚されました。奥さんには口が裂けても言えませんが、先輩の不思議な男気は一生忘れません。理想？なのかは疑問が残るところですが…（笑）

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