3年前のあの日その2
(つづき)本当にキツかったのは地震が落ちついてからでした。もちろん東北で被災した方々と比べれば平穏な状況、それがよくわかっているからこそ精神的にキツイものがありました。福島に住む親友、仙台に住む親戚の安否も気にかかりながらも、子供たちを食べさせるためにスーパーで買い物をしていると「これは買い占めなんじゃないか?」と感じ、SNSに日記を書きかけて「被災地の人が見たら……」と消したり。当時僕が執筆していたのも「お気楽なオモチャの本」。
こんな本を書くことの意味や、そもそも自分の仕事の意味さえもわからなくなり、全てが不謹慎に感じてしまいました。 水不足や計画停電で子供たちが泣く声にも心を痛め、自分の心がこんなにも弱かったことに気付かされました。 友人は津波で親戚を亡くしたし、福島から東京の娘の幼稚園に避難してきたともだちとは、家族ぐるみで仲良くなりました。東京にいた僕たちは彼らに比べると、ずっと気楽だったのは間違いないのですが、それでもあの日、家族を守るために心身ともにクタビレ果てた記憶は強く残っています。
すいよう西田
男性/51歳/東京都/フリーライター
2014-03-09 23:55