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プロ野球開幕記念ー祈りは届くー

「実力が全てのスポーツ界で『祈り』なんて」とバカにするなかれ。読売ジャイアンツ、一昨年の王座奪回の陰に,フィールドへ立たない裏方の祈りがあった。2012年10月20日、中日とのクライマックスシリーズでいきなり3連敗を喫し,絶体絶命のピンチに追い込まれた翌日。第4戦の試合開始まで10時間近くあるが気なく覗いたフィールドは当然,まだ薄暗い。ところが,2つの人影があった。いずれも球団スタッフだった。2人は1塁ベースに歩み寄りパッと塩をまきザッザッと音を立ててベース周辺の土に混ぜている。次は2塁ベースに向かってパッ,ザッザッ…そうかあれはチームの逆襲を祈る清めの塩だ。2人は3塁ベース,ホームベース,マウンドで同じ作業を繰り返し,最後に深々と一礼してベンチの奥へ消えていった。静寂に包まれたフィールドがどこか神々しく映った。ここから巨人が3連勝でCS突破を果たし,日本一まで駆け上がったのは,知っての通り。例の2人は,あの『お清め』を大っぴらに明かすこともなく「本当に,すごいヤツらですよ」と選手の活躍を褒めたたえるだけだった。祈りが通じたか否か。そこに大きな意味は無い。やることは1つ。大声で応援し、選手と一緒に闘うことだ。

G党球児 22

男性/31歳/埼玉県/学生
2014-03-28 00:34

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