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帰ってきたスカロケ小説第七話

リンリロリーン

スカロケ座の怪人はテーブルの上のベルを鳴らす。

しばらくして、天然パーマにエプロンドレス姿の大柄な小間使いがドアを開けてからサイドテーブルを押し、テラスに入ってきた。小間使いは背中を丸めて、怪人と怪人の知人の泉の精霊にそれぞれ、紅茶とローズヒップティーを出した。小間使いはよく見ると眉毛がない。続いて、小間使いはサイドテーブルからザッハトルテを2つ取り、怪人たちのまえに置いた。そして、怪人たちに頭を下げてから、サイドテーブルを押してテラスを出て行った。

「相変わらず、無粋なやつだな」

怪人は独り言のようにつぶやく。

それに、泉の精霊は小首をかすかに前に傾げて頷いた。そして、カップを取り上げて、ローズヒップティーをすする。

「ヤシ子さんは無口なだけかも」

しばらくしてから泉の精霊は口を開き、ミルキーボイスで言った。


カリン

女性/59歳/埼玉県/小説家見習い「帰って来たスカロケ小説」更新中
2015-10-21 19:01

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