なにかいいこと
僕は、安らかな気持ちで午後の並木道を歩いているんだ。
紅葉した木々の葉っぱが剥がれ落ち、ひらひら舞い落ちる様を見ている。
木漏れ日に、目を細める。
どんな時だって、胸を張っていよう。そう思う。
さっきすれ違ったはずの黒塗りのセダンが、Uターンしてきたのだろうか。
僕が歩いている数メートル先で止まる。
すると、後部座席のウィンドウが開く。
中には、初老の紳士がいて、僕に声をかける。
「君は、いい瞳をしているね。良かったら、ちょっと話を聞いてくれないか?」
運転手が、無言で後部ドアを開け、乗るように勧める。
僕がためらっていると、
「ご主人様は○○財閥の会長です。突然すみません。今、あととりを探しておいでです。あなた様が、やっと見付けたそのお人なのです。」と運転手が手早く僕に告げた。
僕は、大きなパワーに引き寄せられるように、車に乗り込む。
その日から、僕の人生は更なる光を放ち始めた。
...そんないいこと、ないかなぁ…
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2015-11-06 15:30