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映画『裁かれるは善人のみ』を鑑賞

本作品は2004年にアメリカで起きた「キルドーザー事件」をベースにし、小説「ミヒャエル・コールハースの運命」や旧約聖書の「ヨブ記」に着想を経て製作され、ロシアの海沿いの小さな町を舞台に己の欲望のために権力を振りかざし、その地で慎ましく暮らす民の全てを奪おうとする市長と対立した庶民に連鎖して降りかかる悲劇を描いた作品です。
 主人公は開発計画のため彼の土地を手に入れようとする市を相手に訴訟を起こしておりモスクワから友人の弁護士を呼び寄せる、弁護士も自身のコネを使い入手した市長の悪事の証拠を武器に事を優位に運ぶため画策する。
これで平穏が訪れるかのように思えたが思わぬ所から綻びが生じる、主人公の妻は田舎町での暮らしに鬱積を抱え、夫婦間のすれ違いを生み弁護士と関係を持ってしまう。そして、市長は過去の証拠を突きつけられた不安と怒りから裁判所や警察等自身の権力の全てを使い逆襲を始める。
内と外から忍び寄る悲劇の序章がやがてその姿を現し畳み掛けるように主人公を襲い、重なったとき完膚無きまで叩きのめされ神の不在を思い知る。
ロシアの田舎町を舞台に描いた物語が世界中の鑑賞者を引き込むのは現代に生きる私達にロシアの田舎町の問題ではない身近さを感じたからでは。
作品の終盤で神父が愛と真実についての説教を行っている教会は権力者の力によって排除された主人公の家があった場所だった。

ムーンライズキングダム

男性/47歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2015-11-24 00:35

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