エリーのハードボイルド日記　その拾玖

人生とは、旅のようなものである。
あてもなくさまよう放浪のような旅や、方向性だけを定めた気ままな旅、目的地のある旅...旅の形は人それぞれだ。
そして、俺は今、こう思っている。
男というのは、旅人であるべきだ、と。

俺は今、夜の空を見上げている。
ため息が空に散らばって、星になるんじゃないかな、そんなことを考える。
どこへ行こうか。
そう考えると、心細い反面、ワクワクで胸が一杯になる。
俺は自由で、その気になればどこへだって行ける。

旅をするのは、帰る家があるからだ。
つまり、帰るべき場所と、人は見えない鎖のようなもので繋がっている。
しかし、俺は、その鎖を絶ちきられ、反対にドアの内側からチェーンをかけられた。

俺の旅は、今始まったばかりだ。

つづく

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