エリーのハードボイルド日記　その弐拾弐

俺は、男を裏切らない。
男を信用しなかったり、裏切ったり、踏み台にしたりする男は、男の腐ったような奴だ。
時として女を泣かすこともあるだろう。寂しい思いもさせているかもしれない。
しかし、男を裏切るくらいなら、男であることを辞めた方がましだ。
そんなやつは、女を守れやしない。
俺は、そう思う。

しかしながら、昨今はSNSとやらの影響か、メンタルの弱いヤツが多い。
生身で向き合えないなら、リアルとは言えない。
生身で向き合えないバーチャルでは、いじっていじられてナンボ。
これが、相手の全てだとハナから思っちゃいないし、これが、俺の全てだと思ったら大間違いだ。

そんなこんなで、帰り道。
俺は、アイスバーンの上を歩いている。
まったく、昼間のうちに雪かきしてて欲しいもんだが、これもまた一興。

月夜が照らす、アイスバーンという歩道のリンクに俺一人。
こんなもの、ススイのスイだ。。。

！！？制御が思いの外きか利かない！！！
ズザーッ！

！？
...イテテ...植え込みに引っ掛かってしまった...
お...向こうからスマホをいじりながらおっさんがやってきたぞ。
よし、おっさんに助けを求めよう...
...あ、あのぉ、ちょいと手を貸して...

(すると、おっさんは、えらくビビったのだろう...。)

ズザーッ(スッテンコロリン)
(...おっさんが転び、おっさんのスマホは、微かな灯りを残して植え込みの中へ...。)

...しょうがないな...。俺が今拾ってやるから待ってろ。
...なに？手を貸して欲しい？
...しょうがないな...待ってろ。

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