エリーのハードボイルド日記 番外編その肆
楽な方へ、安易に行かないことだ。
賛同する人が多ければ多いほど安心するという集団心理にずっぽり浸かり、楽をして言い訳をして、ヘラヘラ笑ってるくせに、責められたらいっぱしのことを言う、そういう人間にならないことだ。
反対もまた然り。
責められている人間を見て、ここぞとばかりに責める人間には、俺はならない。
そういう奴ほど、人を否定することでしか、自分を保てないからだ。
むしろ、否定するチャンスを狙っているんじゃないだろうか。
その場かぎりで、勝てばいいってもんじゃないし、だいたい、勝ち負けじゃない。
大切な誰かが、悲しみに暮れるとき、自分だけが幸せじゃいられないって、思うべきなんだ。
大切なものの大切さに、失って初めて気付くなんて、悲しすぎる。
失ったと思う前に、そもそも物事は流動的で、手に入れられるはずもないし、大切さを認識してない浅はかさを恥じるべきだ。
俺は、俺だ。何人に取り込まれようと、俺の心は、俺だけのもんだ。
俺が、俺の道を決め、俺の大切なものを大切にするだけだ。
おっと、電話だ。ちょっと待ってろ。
...あん?どこにいるかって?
...いや、ちょっと帰りがけにだな...。ビールがうまそうでつい...。
...いや、ついでにラーメンも...。
...いや、俺なりに、いろいろ思うところがあって...だな.....
...いや、それだけは、勘弁してくださいよぉ...寒すぎるよぉ...。
...はい。帰ります。...はい。超特急で。
...コホン。...と言うわけで、俺は帰る。
俺の意志で。
...んと、電車はないから...俺の足で。
......寒すぎるな...超特急で、って言っちゃったもんな。
...ヘイ!!タクシー!!!
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2016-03-12 02:12