映画『牡蠣工場』を観賞
舞台の牡蠣工場は岡山県の牛窓という小さな町にあり、美しい景色が広がる牡蠣の産地です。
作品は牡蠣工場という小さな世界を通して少子高齢化、過疎化、(第一、二次)産業の現在、労働問題、移民問題、震災の問題など日本の現在、未来を写し出します。
カメラをまわす想田監督(撮影、編集、製作全て監督が行ってます、)は自身の作品を観察映画と呼びます、その観察眼がもたらす世界に文明社会に生きるがため見落としてしまったことを浮かび上がらせます。
世の中の仕事は全て必要なはずなのに第三次産業が勝ち組、その他は負け組とイメージがつき、その為産業が衰退、人手を増やしたくても賃金を上げるためには商品の値を上げるしかない、でも値を上げると消費者は敬遠する、そこで賃金が安くすむ外国の労働力に頼らざるおえない、私の仕事も現状が似ているためすごく作品に入り込んでしまいました。
以前はフェアトレードとは途上国と先進国との話でしたが国内でも起こってます、高値で販売されたものが簡単に手が届く、それはその産業で働く人々を知らず知らず搾取しているのです。(技術力の向上で値が下がった物もあるので全てではないですが)
私達は変わっていく世界の流れは止められないが、変化の詳細を理解しなくてはいけない。
この作品は主張を押し付けるわけでもなく、ただ丁寧に、社会の見方を示してくれる作品でした。
作品内で時おり登場する白ネコ(本名はミルクだが周りの人々にシロと呼ばれる)の存在の意味も考えると面白い。
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2016-03-21 20:45