いまさらですが今日の案件

「お母さんはあなた達に不憫な思いはさせないからね」
私が中学2年の頃に言われた一言です。私の中学ではこの頃にアメリカのウィスコンシン州の学校との交流が始まり、全校生徒の中から数名交換留学のため派遣する事になりました。条件は旅費は派遣された生徒の家庭が負担という事のみなので全校生徒が応募しました。
　私もアメリカに対する憧れや興味がありましたが、私の家は母が一人で家庭を支え私と兄を育てていて、大変な思いをしているのを子供心に感じておりとてもそんな話があることは言えませんでした。兄も同じ意見でこの事は内緒にしょうと決め学校からの配布物をこっそり処分しました。
　しかし、その情報はどこからか母の耳に入りました、母は私達兄弟にどうして言わなかったのか聞き、私達もとても言えなかったと答えました。そして、母は言いました「あなた達のためになるならお母さんはなんでもします、お金の事なんか心配しなくていい、お母さんはあなた達に不憫な思いはさせないからね」今日の案件を聴いていたらあのときの母のすこし潤んだ真っ直ぐな瞳を思い出しました。

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