映画『ストリートオーケストラ』を鑑賞
ブラジルのスラム街に実在するエリオポリス交響楽団の始まりを元に製作した物語です。
物語はオーディションシーンから始まります。プレッシャーに負け、交響楽団のオーディションに落ち失意の主人公は、両親への仕送りはおろかマンションの家賃も滞納。
生活のためスラム街の学校の音楽教師を始めますがこの事が運命を切り開いていきます。
作品はスラム街の子供達を扱うのでよくある学校作品のイメージもあると思いますが、先生役の主人公の成長物語、そしてブラジルの現在を描いています。
五輪が開催されていることもあり治安に関するニュースをよく耳にします。作品内も同様で銃や薬物、偽造ガードの犯罪が横行、街中を犯罪組織が幅をきかせ影響は子供達にまで及ぶそのため誰もが輝かしい明日を約束されていないのが現実、民衆と警官の衝突も珍しくないようです。そして、ブラジルも人種差別があり、黒人にはなかなかチャンスがまわってこない現実か垣間見えブラジルの現在が写し出されています。
このままではいけないと作品内のようにNGOが主体となり音楽を学ぶことで犯罪から子供達を守り、その職業につける支援を行っています。この辺りからブラジルも変わりたい、変えたい、という思いがあるように感じました。
作品は社会的な部分だけでなく音楽映画ということもあり音楽が印象に残るシーンもいくつかあります、個人的にはバッハの曲をバイオリンと民族楽器でセッションを行うシーンや騒乱のなか流れるピアノの調べ(リスト「慰め」)が印象的でした。
子供達が希望を抱くには未だに険しい環境ですが、アクションがおきた、そして、今も活動は続いているということに希望を感じました。
ムーンライズキングダム
男性/47歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2016-08-15 20:56