男女のNG案件～編～

皆さん、お疲れ様です。

NGなことですか？....そうですねぇ…

仕事で疲れて帰ってきたら、リビングにワインの空き瓶が転がっていて、グラスの中のワインを一気に飲み干して振り返ったその人の目がすでにすわっていて、なるべく空気を震わさないような声で、
「ただいま帰りました。」
と言うと、
「おぅ。ちょっとまぁ座れよ。」
となり、抵抗してもいいことないのでとりあえず座ると、
「おい、今ため息ついたろ？正座しろ。」
と言われてしまったらもう苦笑いしながら座り直すしかないじゃあーりませんか。
すると、
「ちっ。ヘラヘラしやがって。だーかーらーお前はダメなんだよ！」
とたたみこまれるので、
「どれ、風呂に入ってくるかな。」
キリのいいとこでひとりごちて立ち上がると、
「ふん。逃げやがって。この傲慢野郎が！」
と背中に罵声を浴びるので、一度風呂に入ってさっぱりするのが一番。
風呂から上がるともうリビングは暗くなっていて、向こうの寝室で、
「あちーなー。」
と言いながら半裸で寝ている姿が見えたらちょっと悲しくなりますね。
寝室のエアコンがついていることを確認して、お腹は冷やさないようにタオルケットをかけて扉を閉め、
「どれ、夕飯何食べようかな....」
と冷蔵庫を開けて、カット野菜と納豆とキムチを出して、ビールをプシュッと開けてやっとのことで一息つくことでしょう。
ビールを飲みながら、「俺の人生って一体何なんだろう....？」という考えを打ち消すようにテレビをつけて、笑えないバラエティからニュースに切り替え、観るともなくボーッと画面を眺め、そろそろ寝るかと洗面所に行き、鏡に映った自分の顔に笑いかけ、ちょっぴり涙目になってるので目をそらして洗面を済ませて床につくのでしょう。

翌朝起きて洗面をしていると、目をこすりながら起きてきたその人が、しおらしい声で、
「昨夜は先に寝ちゃってごめんね。今味噌汁作るね。」
と言われても、
「(いつものことだから)いいよ。大丈夫だよ。」
と返すしかないとしたら、それはもうNGなんでしょうかね。

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