君の名は。2
お疲れ様です。
『君の名は。』鑑賞も、早3度目。
実は見始め「普通のアニメになってる」と思ってたんです。今までの作品に比べて、新海カラーが薄くなってる気がして。
特に前作の『言の葉』はフェティッシュ全開の作品だったからw
あれはもう、極端にいえば『雨の新宿御苑』と『雪野の足』だけの映画と言っても過言ではないと思う。
映画は生き様だから、リビドーがストレートにさらけ出てるほうが好きなんです。
それがどうも今回はバランスが取れてて、見やすい作風になってるなぁ、と。
名だたるスタジオ、名だたるスタッフを迎えての大所帯。カントクとして交通整理みたいな役割もあったと思います。
スケールは大きいかもしれないけど、その分、新海風味が薄くなるのもしかたない、と覚悟しながら見てました。
大林宣彦みたいな「男女入れ替りのラブストーリー」っていう先入観もありましたし。
ところが。
進むにしたがって、話は広がる、背景もワイドに広がる。雨、雪、空、電車、副都心の風景、異世界への入口など、すべて歴代の新海作品が思い起こされる。もちろん、三葉の『足』も美しく描かれてます。『すれ違い』というテーマもデビューからかわらない。
(しかし、香菜ちゃんの先生はやりすぎww)
音楽全開!たぶん、カントクとして一番のこだわり所だったのだと思います。音楽のための絵。「どんだけRADのこと好きなんだ、この人」と。映画まるごと超豪華なプロモーションビデオという観かたもできます。
ここまで、あからさまにカントクの好きなものだらけの映画も珍しい。
ストーリーも、画も、音楽も素晴らしいけど、これだけデカいバジェットで、多くのスタッフをかかえて、なお自分の映画にしてしまった新海さんの手際が心地良いです。
この映画で新海誠もコミックス・ウェーブ・フィルムも、かつてのジブリのように日本の宝となりつつある。 次回作はいったいどうなるのか、ぜひ、見届けたいですね…
いっそ制作はジブリで現場組んじゃえばいいんじゃないか、とか。ディズニーが一昔前のドン・ハーンや現在のジョン・ラセターのお陰で2度の復活を果たしたように。鈴木プロデューサーも今回はスルーできないはず、その辺も『汗まみれ』で今後の反応が楽しみですね。
…などと書いてる、ワタシはいったい何業界の何様だ? w (  ̄▽ ̄)
コーギモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2016-09-04 02:06