エリーのハードボイルド日記 其の参拾参
時々は、自分を褒めて然るべきである。
いろいろマイナスに考えて、うつになってる人には、是非勧めたい。
自分の良いところを見つけ出して褒めてあげなさい。
褒めるとこなんて自分には無いと思ってる人は俺の方まで言ってきて欲しい。
俺が、良さを全て引き出してあげよう。
さて。こんな俺にも、抱き締められて、よしよしって、頭を撫でられて、「大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫。」って、言われてみたい夜がある。
俺は、そんな時そっと自分を抱き締め頭を撫でてやる。
。。。けど、そういうことは見られてはならないから、心のなかで行うことだってしばしばある。
そんなこんなで俺はタクシーの後部座席で自分をよしよししてるところだ。
「よく、二日連続、真っ直ぐ寄り道しないで帰ったね」って、褒めているとこだ。
登戸で降りる所を寝過ごして新百合ヶ丘まで行って折り返し最終列車に乗った俺を抱き締めているところだ。
めちゃくちゃ豊満な胸を強調されたお姉さんが
おいでおいでしてるのを振り切ってまで、よくぞまぁ、真っ直ぐ帰ってきたものだ。
行き付けの飲み屋やイタリアンバルに寄ることもなく、真っ直ぐ帰ってきた。
何故だろう?そんな気分になれないのだ。
これが老いというものだろうか?少し、疲れているのかな?そう自分に問うてみる。
確かに、昨夜は行き帰りずっとルービーのんでロンベロンベで今日はリーゲーもルーデーってもんだ。
シースークーイーのまいうまいうー言ってるばやいではない。
「海が俺を呼んでるぜ」って、片瀬江ノ島へ片道切符で行くこともない。
俺は、こんな俺を褒めて抱き締めて然るべきであろう。
ともあれ、俺は帰路につく。俺の意思で。
誰にも俺を否定することなど、できるはずがない。
自分が自分を愛さないで、誰が自分を愛してくれるというのだ。
俺は、全身全霊俺を肯定する。
。。。かくして、俺は家に辿り着いた。
褒めて抱き締められてよしよしされて然るべきだろう。
こっそり家人を起こさないよう慎重にドアを開ける。起こさないようにそーっとだ。
!おっと、電気がまだついて....
。。。あ、まだ起きてらっしゃいましたか。
え?遅い?(;゜∇゜)
....いや、今日は、いや、今日もですね....真っ直ぐにですね....
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2016-10-23 01:51