映画『永い言い訳』を鑑賞
冒頭の妻とのやりとりに主人公の稚拙さが前面に写され、さらに彼女が事故で亡くなる時間の彼の行動。
まさかこんなことになるとは思わなかったでしょう。
最後の会話が・・・・、彼女が消えたとき、自分は・・・・。
ただでさえ整理がつかない、主人公の性格が更に現実と向き合うことを難しくしてしまうんですよね。
喪失のショックを整理出来ず、大きく振り子は揺れ動く。
事故により出会った(出会いよりの再会という感じ)一家との交流で彼の中に体温が戻っているのかと思ったら、衝動的になってしまったり。いや、途中までは計算なのかな?と考えたりしなければいけないほど彼の内面は空虚に感じる。一家の兄妹の姿がまた、たまらない。特に兄の方の心中が切なく、少年の再生が主人公に大きな影響をもたらします。
主人公はやがて自分のなかの混沌を吐き出し、吐き出し、2面性のような自身の心を行ったり来たりしながらいつしか進んでいた妻への愛に帰るまでの道程を作品は描く。
作中、妻の遺品である携帯に残された未送信のメッセージにある「もう愛してない ひとかけらも」の文字。
主人公は怒りにまかせ携帯を投げつけたのですが私には彼女の問いかけにしか聴こえなかった。
私の願望のような解釈ですがそう信じたい。
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2016-10-31 23:53