有給休暇の扱いについて(真面目な話、しかも長文)
番組中で有給休暇の話が出てきましたが、私が以前勤めていた会社でも有給休暇の正しい扱い方を知らない管理職が意外と多かったので、基本をまとめておきます。(日本を代表する、と言っても良いような大企業でしたが、それでも管理職の認識はかなり甘かった)。ただ、私も法律の専門家ではないので、細かい点では間違いがあるかもしれませんが・・・。(詳細は、ご自身で確認してください)
まず、有給休暇は法律上、かなり強い権利で上司は部下から申請があった場合
拒否することはできません。
必ず、求められた日に休暇を与えなくてはなりません。でも、それでは会社の仕事に支障が生じてしまうことがありますよね。その場合、上司は
休暇を取る日を変更するように指示することができます。(時季変更権)
ただ、これも結構条件が厳しくて、その日に休暇を取られたら困る具体的な理由がなくてはなりません。(例えば、その日は特別に忙しい、その部下でないと対応できない(代わりの人材がいない)など)。ただ、漠然と「忙しい」とか「同僚だって休暇をとりたいんだ」などは理由とは認められません。
ところで「そんな理由で休暇など認められるか」とか言われることもあると思います。でも、有給休暇を取るのには、理由を説明する必要はありません。上司も、理由によって判断する権限はありませんし、理由を聞く権利もありません。ただ、上記の時季変更権の条件がそろっている場合に、部下から理由を聞いて、その重要性を考慮して「そんな理由じゃ、仕方ないな」と時季変更権の行使を見送る、などという場合には社会通念上問題はないようです。
さらに、「今期は、休暇をたくさん取ったから評価を下げるからね」などという話も結構聞くと思います。でも、これもできません。有給休暇を取得したことにより、不利な扱いをすることは禁止されています。(ただ、罰則もなかったと思いますが)。実際、私もサラリーマン時代、それで評価を下げられたことが何度かありましたけど・・・。
と、だいたい、こんな感じでしょうか。ただ、職場の人間関係というものもありますので、こんなに四角四面にやったら角が立ちますので、その辺は柔軟に対応された方が良いと思います。それから、後で問題になった時のために、上司とのやりとりなどの記録はとって置いた方が良いと思います。
カウボーイと呼ばれた男
男性/64歳/東京都/自営・自由業
2016-11-03 17:39