映画『人間の値打ち』を鑑賞
クリスマスに起きたひき逃げ事件で始まり、4篇構成で資本主義社会の怖さ、欲に踊らされる人間の愚かさを描きつつ事件の真相を通じて人間の本質的な豊かさを問う。
作品構成が素晴らしく、同じシーンでも角度を変えて描き登場人物達の本音と建前が見えてその思惑が緻密に組み込まれ物語を深くします。
3篇はそれぞれ登場人物の名前がタイトルとなり彼らの視点を中心に進みます。
①欲望にとりつかれ、金に振り回される不動産屋の経営者
②家に自身の居場所を見失ったファンド経営者の妻
③社会の底辺でもがく青年に恋する不動産屋の娘
3人の視点を軸にした3編は事故の6ヶ月前にさかのぼり、欲にまみれる大人達、その思惑に巻き込まれる子供達、子供達を守ろうとする母親達を写しつつ事件の核心に近づいていく。
事件の結末が見えてくるあたりのお金に踊らされる人々には嫌悪感を抱きますが、こういう人間いるよな~、という感じも。
ラストに提示されるタイトルの意味、経済で算出される人間の価値にいろいろ考えさせられます。
この社会では本当の意味での価値を見失いそうになるが若い二人の恋が作品の救いとなります。
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2016-11-13 22:34