映画「この世界の片隅に」を鑑賞
公の場では、決して堂々と笑うことも泣くことも許されなかった戦時下の物語。
当時の呉の街並みや人々の服装、方言、男女の恋愛観、食べ物のディテール。そして、恐ろしいまでの破壊力で人々に襲いかかる空襲や、今までに無い角度から捉えた原爆の凄まじさ。これら全てが見事に事細かく描かれているこの作品は、まさに監督の取材力のたまものであると言わざるを得ません。コトリンゴさんの歌う主題歌、フォーク・クルセイダーズの名曲「悲しくてやりきれない」は、当時の戦時下を生きた、そして命を失った人々の心情そのもの。本来は、やさしい笑顔とやさしい心の持ち主である筈の主人公が、日々だんだんとそのやさしさを失っていく様を見てしまうと、今更ながら改めて戦争の愚かさを痛感します。みんなが笑顔でいられる、それこそが最も大切な事なのだと作品を通して思い知らされました。アニメではあるけれども大人のための作品と言ってもいいこの映画。個人的に今年ナンバーワンの作品だと、敢えて私はここに断言したいと思います。
最後にムーンさん!パクりましたm(__)mスミマセン
三代目☆寒ブリ二郎
男性/58歳/千葉県/由美かおる
2016-11-17 00:18