エリー・ザ・イリュージョン 第1弾
いいですか?
物事は一定ではなく、刻一刻変化しているものです。
空気も風も光も色も匂いも違います。
同じように見える砂丘も1秒ごとに変化しています。
つまり、さっきと同じ物なんてないのです。
人はそれを変化と呼びますが、僕はそれを成長と呼びたいと思います。
形あるものはいつか壊れ朽ちていきますが、心を宿していればそれは成長していくということなのです。
これですか?…よく気付いてくれましたね。
そう、あなたが大切にしていたガラス製の置物…だったものです。
今は粉々のガラスの破片に姿を変えて、ビニール袋の中に入っていますが…。
お掃除をしていたら、つい手が滑って落として壊してしまったのです。
けど、しょうがないですよね?
形あるものですもの。
ええ、最期は美しかったですよ。
スローモーションで…あ、そう見えたんです。僕には…。重力に引かれて床に落ち、繊細な音をたてて木っ端微塵でした。
僕にはその最期の割れゆく音がこう言っているように聞こえたんです。
「さようなら。今まで大切にしてくれてありがとう。」って…。
そして、心が宿っていたこの置物から、まさに解放された心が宙に散らばっていくようでした。
心って、きっと永遠に生き続けるものですよね!
え?納得いかない?
…悔しいから?僕の一番大切なものも…?
壊してやりたい…?
…そんなことを考えてはいけませんよ。
気持ちは分かりますが復讐ほど醜く、何も得られないものはありませんもの。
…それに、僕の一番大切なものはあなたには壊せっこありません。
なぜなら…僕が一番大切なのはあなたなのですから。
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2016-12-03 13:31