映画『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』を観賞
本作品はナチス戦犯アドルフ・アイヒマンを捕らえることに孤軍奮闘し、アウシュヴィッツ裁判の実現に尽力した実在の人物フリッツ・バウアーさんを描きます。
作品はアイヒマン捕獲の時期に絞り実話ベースで、当時の世相にフィクションも織りまぜて製作され、特に※刑法175条の取り入れがサスペンス性を持たせました。
※1871年に制定された男性の同性愛を禁じた法律で1994年まで施行されていました。
ナチスの時代を忘れたい人々にとって戦争に向き合うというのは当時の人々にはとても苦しいことで同時にとても勇気がいります。
政府や捜査機関の要職についているナチスの元高官や親衛隊員が多くいたからです。
(ホロコーストに関しては市民レベルでは何が行われていたか知らない人も。)
「執務室を出れば敵だらけ」と主人公も言っていますが、実際はもっと過酷で執務室にも妨害の手が及んでいることもうかがえます。
そして、自宅にも脅迫が・・・。
何故、彼は命の危険をかえりみず過酷で孤独な闘いに身を投じたのか?
そのあたりに興味がわきました。
戦争を忘れたい当時の人々には煙たがられていましたが彼がいたお陰でドイツは過去の記憶を風化させず自国で戦争犯罪を裁き、国際社会にも自国の未来にもプラスになりました。
妨害や圧力に屈しなかった主人公の姿に胸が熱くなります。
彼の熱意の元にあったものに、現代を生きる人々にも繋がる事が見え、ただの歴史ドラマではない重厚さがありました。
(ちなみにアイヒマン捕獲に係わった事が明らかになったのは彼の死後10年も経ってから)
この作品とあわせて観てほしいのが
アウシュヴィッツ裁判を題材にした『顔のないヒトラーたち』
アイヒマン裁判を描いた
『ハンナ・アーレント』です。
この2作品はDVDになっているので是非!!
ムーンライズキングダム
男性/47歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2017-01-15 21:46