映画『僕と世界の方程式』を観賞
数学と図形が全てだった自閉症の少年が数学オリンピックを目指す道程で巡りあう人々との出会いを通じ、生きていく上で大切なことを見つけだす物語です。
先述の通り数学のオリンピックが目標となりますがスポ魂的なサクセスストーリーというお話ではなくハートフルなヒューマンドラマです。
少年の心の成長だけでなく、登場する人々にそれぞれの物語が見えてくるのが作品に深みを与えています。
父を失い、母にも心を閉ざした少年は母が依頼した教師の指導でその才能を伸ばし国の代表に選ばれます。
オリンピックに向けた合宿でパートナーとなる少女との恋が少年の心の成長に大きな役割を果たします。しかし、少年は自身の心に沸き上がる「恋心」を認識できない。この感情は?この胸の高鳴りは?
どんな方程式にも表せないドキドキに戸惑うあたりに初恋の甘酸っぱさが。
感情もうまく伝えられず、思いやりも欠けていた彼がある出来事で失意の底に陥った彼女のために動くあたりは観ているこっちも背中を押したくなる思いに駆られます。
孤独だった彼の心の変化の描き方が実に良いです。成功を描かず、成長を描くことでこれから続いていく人生に拡がりを感じさせる感動作でした。
この作品の原題は「X+Y」です。
皆さんの幸せな足し算はなんですか?
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2017-01-29 21:41