エリーのハードボイルド日記 其の参拾玖
追い出すことができるだろうか?
俺の心に潜む鬼を。
孤独や闇と対峙できるだろうか?
闇を切り裂く光のようにまっすぐ生きれるだろうか?
大切なのは、見続けることかも知れないし、よけることかも知れないし、受け止めることかも知れないし、動じないことかも知れないし、振り返ることかも知れない。
その時々として変わりゆく答えに、変わらない思いを一つ乗せて行けるだろうか?
ところで、日本人はいつからイベント好きになったのか。
行くコンビニ行くコンビニ恵方巻が大量に売られ、鬼の格好をした売り子が駐車場で恵方巻のオブジェを持って宣伝している。
ビジネスが風習というムーブメントを造り出している。
ちゃんちゃら滑稽ではあるが、否定も肯定もできまい。
ムーブメントを利用して風習を造り出せるのだ。これはビジネスの匂いがする。
俺は、どんなムーブメントと風習を結びつけられるか思い浮かべつつ、迷わずおにぎりに手を伸ばす。
恵方巻とおにぎり、どちらを手に取ろうか迷っているようでは男が廃る。
受け入れる柔軟さと、踊らされない頑固さ。
それら相対するものを持ち続けていたいんだ。
since2017でもいい。
まっすぐな思いを持ってまっすぐ伸びてけばいい。それがきっと歴史になってく。
…おっと。電話だ。ちょっと待ってろ。
…おう。俺だが。
…え?節分?…そんなこたぁ分かってる。
…恵方巻食べたか?そんなもんは食わん。
…え?豆?まだ食べてません。
…え?鬼の役が居なくて?…豆まきが盛り上がらなかった?
…いや、鬼の役ならあなたが適任…
…え?お面が似合わない?…
…いや、お面は要らないかと思いますが…
…え?日頃のストレスを発散するために?豆を思い切り?ぶつけたい気分?
…え?鬼のお面を?ポストに入れてるから?かぶって入ってこい?
…今すぐに?!
…はい…はい。分かりま…ツーツー…
…豆で追い出せるかな…
…家にいる鬼を…。
エリーマイラヴ
男性/46歳/東京都/総帥(so sweet)
2017-02-04 01:01