毎年言ってるような気もする
僕は自転車に乗っていた。近くのスーパーでノートを買って、その足で図書館に向かっていた。
ある道で猫が二匹くらい飛び出してきていた。可愛いな、二匹も会えるなんて幸せだな。
思った矢先、電線が大縄飛びみたいに揺れ上がって、猫が来た道を駆け戻って、ゴゴゴゴなんて音がリアルに聞こえて。僕は自転車を転がり堕ちるようにして側にあったガレージの下に入った。
(よく考えるとガレージの傘はギシギシ言っていて結構古そうで危険だった)
揺れはおさまった。辺りの人が普通に歩き始めるのをしばらく眺めながら、スーパーに向かった。
スーパーの中は物が散乱していた。ちょっと大きい揺れだとこうなるんだと思った。まだそんなに危険視していなかった。とりあえず棚に戻す作業を軽く手伝って、目当てのものを買って図書館に入った。
図書館でパソコンを借りていたら、また揺れ始めた。学校では机の下に隠れるよう学んでいたので、ディスクの下に隠れた。
(よく考えるとディスクの下は機材やらコンセントやらがあったので返って危なかったかもしれない)
図書館は急遽閉館になってしまった。
行くときには普通だったよその誰かの家の塀が、少し崩れて欠けていた。
することなく帰ってきたら家の中がぐちゃぐちゃだった。僕の机回りなんてひどい有り様だった。祖母から連絡が来た。仕事中の父から電話が来た。それからも揺れが度々続いた。
わけわかんないまま、とりあえずなんとなくの気持ちでいるまま、やれ津波だ、大災害だ、原発だ。
嘘か本当かもわからないような同じニュースの繰り返しに、同じCMの繰り返し。アニメもドラマもしばらく観れない状況。
私が最初に避難したガレージはやっぱり古かったらしい。そんな経たないうちになくなって、新しくなっていた。
メルティーぬこ
女性/29歳/東京都/会社員
2017-03-11 12:39