映画『彼らが本気で編むときは、』を観賞
トランスジェンダーの女性と、その恋人、そして育児放棄された少女との生活を描くこの作品。
「普通」であることを望まれ、「他と違う」ということを受け入れられず場合によっては排除してしまうことが社会において見かけられます。
社会は、人は、その集団性によって残酷なまでに人の心を傷つける。
登場人物たちも偏見や差別という刃物で傷つけられています。
特に生田斗真さんが演じたトランスジェンダーの女性は自分の居場所を確保するまで苦しい毎日だったということが見えてきますし、現在進行形で続くことも見えてきます。
そんな彼女がみせる少女との交流の時間は本当に胸を打ちますし、桐谷健太さん演じる恋人も実に効果的。
他の登場人物たちもそれぞれの物語があり作品を重厚にしていきます。
端から見れば「普通」にみえてもそれが幸せとは限らない。
海外では市民権を得られるようになりましたが日本ではまだ異端とされてしまう3人の生活はいろんな波が襲うも幸せな風景そのものです。
温かい手作りの料理、家族の団らん、互いを思いやる心・・と愛情に満ちています。
成長と再生の物語でもあり、家族の物語でもあり、社会へのメッセージもあり実に欲張りな内容でした。
公開終了が迫っていたので間に合ってよかった
ムーンライズキングダム
男性/46歳/千葉県/Come live with me ~共に生きよう~
2017-03-19 21:07